高額療養費制度の利用なら「限度額適用認定証」を取得しよう!

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高額療養費制度とは?

入院や手術などにより高額な医療費を支払うことになった時の為に、健康保険では、「高額療養費制度」という制度が用意されています。

これは、1か月間に医療機関に支払った窓口負担が、一定の限度額を超えた場合に、その超えた分が高額療養費として後から支給されるものです。

例えば、医療費が100万円掛かったとしても、限度額が10万円なら、後から90万円が戻ってくる、という仕組みです。

通常であれば窓口負担は3割となりますが、この制度に該当すれば、一定の限度額を超えると、自己負担が過重なものとならないようになっている有難い制度なのです。

限度額適用認定証が便利!

後から高額療養費制度による医療費の払戻があるとはいえ、当初の窓口負担が多額になると、ある程度まとまったお金を用意しなければなりません。

また、一般的には診療月の3ヶ月後に届く「高額療養費請求申請書」に基づいて、申請手続をすることになるため、実際の入金は診療から3ヶ月は先になってしまい、手続自体も面倒です。

そこで、急な入院などが決まり、高額な医療費が掛かることが分かっている場合には、「限度額適用認定証」を取得しましょう。

事前に「限度額適用認定証」を入手しておけば、病院窓口に提示することによって、病院での窓口負担が、高額療養費制度の自己負担限度額までとなります。

これにより、当初の窓口負担は減ります。
病院によっては、入院前に預り金として前払するケースも多いですが、通常であればこの前払分だけで足りる事が多いはずですので、改めてお金を用意しなくても済みます。

そして後から払戻のための申請手続をする必要がありません

すでに窓口負担が生じていても、その月のうちに「限度額適用認定証」を取得して病院の窓口に提示すれば、その月の医療費から自己負担限度額の範囲とすることができます。

高額療養費として後日支給されるのではなく、医療機関での支払をあらかじめ抑えてしまうのが「限度額適用認定証」の役割になりますので、長期入院や手術予定の場合には、必須アイテムです!

限度額適用認定証の申請方法

「限度額適用認定証」は、各健康保険の窓口に申請すれば発行して貰えます。

国民健康保険の場合には、ご自身が住んでいる市区町村の国民健康保険の窓口へ申請します。

西東京市の場合、下記の申請書1枚に必要事項を記載して、身分証明書、健康保険証、印鑑(認め印)を持参すれば、あっという間に発行して貰えます。


高額療養費制度の自己負担限度額

高額療養費制度の自己負担限度額は、年齢や所得によって異なります。

健保加入者であれば標準報酬月額、国保加入者であれば『旧ただし書き所得』*1を元に上記の適用区分から限度額を算定します。

*1 旧ただし書き所得とは、前年の総所得金額及び山林所得額並びに株式・長期(短期)譲渡所得金額等の合計から基礎控除額33万円を控除した額です(雑損失の繰越控除額は控除しません。)。

また、過去12ヶ月以内に3回以上、上限額に達した場合は、4回目から「多数回」該当となり、上限額が更に下がります。

フリーランスの方であれば、前年度の確定申告書の第1表の⑨の金額(第3表もあれば59~68の金額)の合計から 基礎控除額33万円を控除した額(雑損失の繰越控除額は控除しません。)により、適用区分を判定することになります。

例えば、 前年度の確定申告書の第1表の⑨の金額(第3表無し)が500万円の場合には、『区分ウ』となり、限度額は80,100円+α、といいうことになります。

限度額適用認定証の限界

「限度額適用認定証」を利用しても、自己負担限度額を超える場合があります。

例えば、以下のようなものについては支給対象外となっていますので、その分は自己負担となります。

・入院中の食事代
・差額ベット代(個室などにした場合)
・先進医療費(一般治療と共有しない部分)
・自由診療費

医療費控除との関係

高額療養費制度を利用した人でも医療費控除を受けることができます。

但し、医療費控除は実際に自己負担をした金額のみです。

そのため、年間で支払った医療費から、高額療養費制度により還付された金額・医療保険により払戻された金額などを差し引いた金額が医療費控除の対象となります。

ここで、いくつか注意点があります。

医療費控除の計算上、高額療養費制度・生命保険会社からの給付金・会社を休んでいる間に支給された傷病手当金はそれぞれどのように取り扱われますか?

還付された高額療養費・生命保険会社からの給付金は、医療費控除の計算上、医療費から差し引く保険金として控除する必要がありますが、傷病手当金については、医療費から差し引く保険金には該当しません。

傷病手当金は所得税や住民税の課税の対象ではなく、非課税となっていますので、そもそも確定申告の対象外となります。

12月に高額療養費制度の申請をした場合、支給タイミングが3ヶ月以上掛かってしまうと確定申告に間に合わないのですが?

金額が確定するまでは確定申告が出来ません。還付額の概算により確定申告することも考えられますが、実際の金額と相違すれば確定申告をやり直さなければならなくなる場合もあるでしょう。

医療費控除の還付請求は過去5年間まで遡れますので、金額が確定してから医療費控除の申告をするのも一案です。一方で高額療養費制度の期限は2年間ですので、金額確定後は速やかに行う必要がある点に注意する必要があります。

ちなみに、「限度額適用認定証」を適用していれば上記のような問題も生じません。

まとめ

高額療養費制度も医療費控除も、ご自身で申請しなければ利用できないものです。

税金は、不足分はこちらが頼まなくても厳しく催促されますが、還付分は自分で頼まないと(申告しないと)返ってきません。。

また、高額医療費を知らなければ3割負担であっても高額になってしまいますので必ず手続をするようにしましょう。

その際には、「限度額適用認定証」が大変便利です。お忘れなく!

いざという時のためにも、是非覚えておいてください。

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